NMAT能力検査の内容とポイント |
言語によって情報を整理し抽象化・一般化する能力を測る検査です。いわゆる「国語」の問題とは測定されるポイントが異なります。
言語能力検査は、長文問題と短文問題から構成されています。長文3題、短文10題前後ということが多いようです。以前は長文問題のみのバージョンがありましたが、近年はほとんど使用されていないようです。
検査時間は35分です。内容としては簡単な文章からかなり難解な文章まで幅広く出題されます。
言語能力を急に伸ばすことはできません。普段から本・新聞などで語彙とともに、ある程度の長さの論理的な文を読み慣れておくようにしましょう。
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非言語能力検査は、数的処理問題と論理問題に大別されます。いずれも、数値化・客観化された情報から論理的に結論を導き出す能力を測ります。
数的処理問題は比較的容易です。しかし、計算力が衰えていると時間的制約があるため正解が難しくなります。
論理問題はかなり難しい問題が出題されるようになっており、解法に習熟しておく必要があります。
検査時間は35分です。この時間的制約の中で正解するためには、トレーニングが必要です。
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問題数は3題ということが多いようです。長文の長さは1000字前後です。試験時間は35分ですので、短文問題の解答時間を考慮すると、長文は大体1問7分で解く必要があります。
空所補充 → 例題1
@接続語 A文脈に合う言葉 の選択に大別されます。@では、文と文のつながり、Aでは言葉が表す概念を正しく把握できていることがポイントになります。
指示内容 → 例題2
文中の「それ」「これ」などの指示語の指す内容を選択する問題です。
内容把握
部分的な記述の意味を問う問題と、文章全体の要旨や記述と合致するかどうかを問う問題に大別されます。
設問に関係する文の前後だけを読めば解ける問題もありますが、文章全体を読んでおかないと解答できない問題もあるので、文章を読むスピードも重要になってきます。
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現代では、自己の目的のためにどれだけ役に立つかという( )だけで人間を判断しようとする人が多い。しかし、人間の価値は多様であり、より根源的である。… |
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今日の環境問題は、つまるところスピードの問題といえるかもしれない。…中略…。スピードの問題は、環境汚染についてもいえる。すでに述べたように、現在、東京の水源である利根川水系の汚染は深刻な事態となっている。これも、水源に流れ込む汚れの分解者である微生物などの「浄化時間」を上回って汚染が急速に進むことに問題があるといえる。… |
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A 今日の環境問題
B スピードの問題
C 環境汚染
D 東京の水源の汚染
E 利根川水系の汚染 |
《正解》 1 E 2 E |
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NMATに2009年から登場してきた問題です。3〜10行程度の短い文章を読み、問に答えるという形式で、10問程度出題されます。
問題としては空欄補充のような長文問題で出題されるものとほぼ同じ問題と、反論・帰結・理由を尋ねるという長文問題とは異なる問題があります。
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日本は日本人という(ア)をもとに、まるで同族会社のように走ってきた。政官財のもたれあい、株の持ち合いや系列のシステム、会社と従業員の家族のような結びつき。戦後の発展を支えたそうした国のありようは、内側からの(イ)に経済のボーダーレス化が加わって、たそがれ時を迎えたように見える。
(ア)A 仲間意識 B 優越感
C 使命感 D 存在意識
E 集団主義
(イ)A 内部改革 B 意識改革
C 制度疲労 D 組合要求
E 高度成長
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《正解》 3 (ア) A (イ) C |
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数的処理の範囲としては、表の読み取り、PERT法、フローチャート、集合などです。計算力があれば、計算自体はかなり平易です。
しかし、表の問題以外では、問題文が長くわかりにくいことも多いため、解答するのに手間がかかるという傾向があります。問題文の迅速で正確な把握と、計算のスピードがカギを握るといえるでしょう。
表の読み取り
比較的単純な計算で解ける問題が多いようです。とはいえ、足し算、引き算、掛け算、割り算を電卓ナシで正確に行うことが最大のポイントです。
クリティカルパス
複数の作業工程の順番や所要日数を素早く理解して、設問に答えていくものです。習熟してさえいれば、問題自体は決して難しくはありません。
フローチャート
問題文を理解する点が大変ではありますが、そこさえクリアしてしまえば設問は単純です。
ただ、数的処理だけでなく、判断そのものが問題になることもあるので、文章理解力や論理的理解力も大切になってくる分野です。
集合 → 例題4
SPIやJMATでも集合の問題は頻出ですが、NMATではかなり複雑な問題が出題されています。それでも、集合は慣れてしまえば飛躍的に速く正確に解けるようになる分野です。
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例題4
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100人に定期購読している新聞を調査したところX紙が60人、Y紙が45人、Z紙が35人であった。 |
(ア) |
X紙とY紙の両方を購読している人が25人いた。X紙もY紙もどちらも購読していないのは何人か。 |
A 5人
D 20人 |
B 10人
E 25人 |
C 15人
F 30人
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(イ) |
Z紙だけ購読している人が10人いた。3紙とも購読していないのは何人か。 |
A 5人
D 20人 |
B 10人
E 25人 |
C 15人
F 30人 |
《正解》 4 (ア) D (イ) B |
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NMATの場合、非言語系の中でも、論理問題が比較的多く出題され、最近むずかしくなってきています。頻出問題はつぎのとおりです。
順位 → 例題5
内訳・対応関係
たとえば、PQがXYの地区を担当し、Pが週3回X地区をまわったとき、Qは週何回X地区を回るかというように、複数の要素の対応関係から結論を導く問題です。
命題の連結
3つの文の中から、「ならば」で結びつけることができる文を選ぶ問題です。
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例題5 |
P社、Q社、R社、S社の売上高を調査したところ、次のことがわかった。
T P社の売上高はS社の次に大きい
U 一番売上高が多いのはQ社ではない
次の推論のうち必ずしも誤りといえないものはどれか |
ア P社の売上は3番目に多い
イ R社の売上は2番目に多い
ウ S社の売上が最も多い
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A アだけ
D アとイ |
B イだけ
E アとウ |
C ウだけ
F イとウ |
《正解》 5 E |
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